2019年 国見岳(1,170m)(御在所2周訓練)
2019年7月7日
【天気】小雨~曇り
【メンバー】さいともCL、よっちゃんSL、山師匠、gigi、あゆ、くぼた、あや、棟梁、よこたん、はっちー、のりっく(記)
【コースタイム】
6:30名古屋→7:55裏道登山口駐車場出発→8:30藤内小屋→11:00国見岳登頂→(~12:20休憩)→12:40国見峠→13:10藤内沢出合→(3ルンゼ)→15:45中道出合→(中道)→17:40中道登山口下山→17:50裏道登山口駐車場着
この日は、夏合宿Eチーム(五竜~鹿島槍縦走)の合同訓練(歩荷及び岩稜歩き)ということで、御在所を2周するコースを訓練担当のgigiさんが組んでくれた。国見尾根から国見岳登頂までは歩荷し、その後重荷を捨てて藤内沢出合まで一旦下る。そこから3ルンゼでの岩稜歩き訓練である。もともとは山上公園に到達し、本谷ルートで下山する予定だったが、時間切れとなったため、中道出合で折り返し、中道ルートで下山した。梅雨の時期であり山行が中止続きで、1カ月ぶりに歩く!というメンバーが大半の中、朝8時から夕方6時までしっかりと歩くことができた。
7:30に裏道登山口に集合した時には登山口手前の駐車場はいっぱいで、トンネルを抜けた先の駐車場も7~8割方埋まっている状況であった。梅雨の時期、この混雑ぶりは珍しい。駐車場で身支度をしている間、訓練担当のgigiさんより歩荷するザックの重量チェックが入った。女性の目標は15kg、男性は20kgだ。
先行して前尾根に向かっていた当会の別パーティより、「本谷は危険個所があるため、現在通行止め」との情報がLINEに入った。長引く雨天で道が崩れたのだろう。本谷は下山時に利用する予定のルートだったため、我々は山上公園で情報を取ることにした。今日は七夕。織姫と彦星の今夜のロマンスに思いを馳せつつ、霧雨の中、7:55に裏道登山口を出発した。雨はすぐに上がり、8:30に藤内小屋に到着した。
ここで、くぼたさんが歩荷のためにザックに石を詰めだした。普通は、ペットボトルかプラティパスに水を入れるが、歩荷=石と思ったらしい。気合いを入れて石詰めしたザックは25kgを超えていた。さすがに減らすよう指示が出たが、本人は担ぎたそうだった。それに感化された周囲のメンバーが「自分も重さが足りない」と石を詰めだした。なんというマゾヒスト集団だろう…と唖然としつつ、かくいう私も推定2kgの石を追加した。これで17kgくらいになったはず。1カ月の後れを取り戻すため、今日はしっかり訓練するのだ。
また、ここで合宿総監督の山師匠より、班分けの発表があった。先発隊は、さいともPCL、gigi PSL、あゆ、あや、棟梁。後発隊は、よっちゃんPCL、山師匠PSL、くぼた、よこたん、はっちー、のりっくである。合宿もこの2チームに分かれて歩くことになる。
指定された班に分かれ、8:55藤内小屋を出発。国見尾根からの国見岳までの道のりは2時間の予定だった。国見尾根は思ったよりテクニカルなコースで、かつ長雨の影響で登山道の崩れがひどかった。歩荷時の歩き方としては、足から先に登るのではなく、まず前方に体全体を体重移動してから足を運ぶことを山師匠より教えていただいた。長い急登が続き、1カ月ぶりの山行で気合いを入れて歩荷したためにメンバーの一人が足をつるハプニングもあった。こまめに休憩を取り、崩れかけた足場にも注意を払いつつ、国見岳に到着した時には予定より2時間遅れ、11:45になっていた。
皆は、しつこい女を思いっきり振るように、藤内沢から運んできた石をせいせいした面持ちで捨てていた。本日の一つ目の課題、歩荷は終了である。ここで山師匠からサプライズがあった。ザックから取り出したのは、石などではなくご褒美のスイカである!確か、自分が初めて同志会の定例山行に参加した時、歩荷訓練のためにスイカを運んできて、頂上でそれを振る舞ってくれる方がいるという伝説を聞いたことがある。山師匠こそ、そのスイカおじさんだったのだ!高い湿度と歩荷で大量の汗を流していた私たちには、スイカの甘味と水分が最高の栄養補給だった。
スイカで元気を取り戻した一行は、国見峠を通り、藤内沢の出合まで高度を下げた。2時間遅れは認識していたが、予定通りのコースを進むことにした。高度が下がるにつれ、蒸し暑さが戻ってきた。13:10藤内沢出合に到着。下山時刻が遅れることが予想されたため、あゆさんのみ先に下山することとした。残りのメンバーは、ヘルメットと簡易ハーネスを装着し、13:30に3ルンゼに向け出発した。
私の初めての3ルンゼは12月の定例山行で、冬山デビューをして2回目の雪山山行であった。慣れないアイゼンとピッケルを携え、雪と岩と氷のミックスした3ルンゼを越えることは、冬山初心者の自分には難易度が高すぎ、冬山嫌い度バロメーターが一気に急上昇した記憶がある。しかしリベンジしたい思いもあった。その時から夏山に様変わりした3ルンゼを登れるのを、今日はとても楽しみにしていた。
全員ストックをしまい、手と足で急斜面の岩場を登って行った。雨天の後ということもあり、いつもの3ルンゼより水量が増えている懸念があったが、予想通り高度を増すにつれ水量も増し、プチ沢登り状態となっていた。上から滝のように水が噴出している箇所があったり、岩がぬめって滑りやすくなったりしていた。沢登りでは岩に掌を押し付けるようにして登ると良いなどと教えてもらいつつ、慣れない沢登り体験に夢中になって歩みを進めた。単なる岩稜歩行とは違い、フリクションの効かない岩は緊張感があった。
15:30に中道出合に到着。歩荷を経ての3ルンゼに、一同は疲労の色を隠せなかった。山上公園から本谷ルートで下山する予定であったが、日没までに安全に下山するため、ルートを変更し、中道ルートで下山することにした。御在所の中道ルートは、私が登山デビューをしたルートである。その時はロープウェイで下山したが、今日は御在所を2周した後に同ルートを下山できるまでに体力と脚力がついたことに、なんとなく感慨を覚えていた。
後発隊は17:40にほうほうの態で中道登山口に下山した。疲労困憊であったが、懸念された雨天に見舞われることもなく、歩荷に、濡れた岩稜歩きに、要素盛沢山な訓練を行うことができた。また、合宿メンバーでの親交を深めるとともに、合宿本番に向け、時間管理の課題を発見するなど、有意義な一日にすることができたと思う。あとは、本日は七夕、織姫と彦星の逢引きが成功するのを願うのみだ。